日本の文化のひとつ、「お弁当」。
限られた箱に彩りよく詰める技術は海外の方から見ると不思議らしく、夫も現地スタッフに「これ何?」とよく聞かれていました…(笑)
海外で毎日お弁当を作るとなると、冷凍食品が少なかったり、日本の食材が安定しなかったり、湿度や温度で保存に気をつけたり…なにかと工夫が必要です。
それでも、ランチが夫や子どものほっとする時間になれば作り甲斐はあるし、外食続きより栄養面でも安心。
“頑張りすぎない”お弁当。
これが私のテーマです。
冷凍食品に頼りすぎず、背伸びもしない。ピックや型抜きを使って少し遊んだり、ときどきキャラ弁にしてみたり——そんな控えめな「気合い」を添えるのが私流。
これまで暮らしたメキシコ・メキシコシティとタイ・バンコクで、どう続けてきたかを写真と一緒にまとめました。
メキシコシティでのお弁当づくり
食材探し「日本食スーパーだけだと難易度高し」
どこで何が手に入るか、どこが安定して買えるかが定まるまでは、先輩の日本人妻さん達にたくさん教えていただいたり、Google翻訳でスペイン語の文を考えて、直接お店に問い合わせたりと、とにかく情報収集でした。
定番の購入先は以下の通りです。
■Tienda Yamamoto
店員さんがとても親切で、ここに一番お世話になっていました。
お豆腐や生麺、あと薄切り肉は毎回購入していました。
(海外のスーパーって、しゃぶしゃぶや炒め物にするような薄切り肉が並んでないですよね…)
入荷日には生食できる卵も入荷します。
メキシコシティ内の一部区域では配達対応もしてくれるため、お米購入時にも助かりました。

シーズンものですが、韓国松茸は日本から入ってくるエノキより安かったです…^^
■Súper Mikasa
ローマノルテ地区にある日本食スーパー。種類は豊富で店内が広めなので、ゆっくり見られるのも有難いです。細切りの筍の水煮や、うずらの卵、豚の薄切り肉、日本のお菓子、あとちょっとしたお弁当やお惣菜などもあります。
二階には百均ショップのような品揃えの「Dokkoi Japan」(お値段は全く100円ではありませんが…笑)、手作り町中華の「Ten Teke Ten」も入っています。



この近くはお洒落なレストランやカフェも多いので、お出かけの帰りに寄れるのも嬉しいポイント♪
■IDE Gourmet Oriental
日本人も多く住むポランコで人気の日本食店。陳列がいつも綺麗で清潔感があります。好きなおかずを二つ選べるランチがお気に入りで、お買い物に行った日は食事して帰るのがセットでした。



YamamotoにもMikasaにも入荷してないときに、意外とここでお目当てものと出会えることも…!
■Sakanaya JAMES
メキシコ唯一の本鮪専門店です。メキシコ各地から届く質の高いお魚や活きた貝が、お刺身でいただけちゃうという有難いお店です。



JAMESがいなかったら、我が家の食卓は成り立たなかったのでは…?と思うほど、お世話になっておりました^^
刺身に、切り身に、ちょっとした冷凍総菜も。カニカマもJAMESに置いてあるのが一番好みでした。(高価だったので少しずつ大切に使っていましたが…笑)
配達対応もしてくれるので、アジや珍しい魚が入荷したときは、即、注文の連絡をしていました。
■Tianguis(ティアンギス/メキシコの青空市場)
海外ではお腹のことも心配で、最初は少し敬遠していた青空市場。
※野菜や果物を生食する場合は、しっかり消毒を!
メキシコの鶏肉は餌の影響で黄色く、香りが強いこともあります。
コストコで丸鶏を買って自分でさばく先輩妻さんもいましたが、私は近所のティアンギス(木曜開催)でオーガニックチキンのお店を利用していました。



鶏肉店は2軒あり、日本語で陽気に話してくれる方のほうです。
開催場所はこちら↓(Parque Alfonso Esparza Oteo)
※ポランコでも別曜日に開催されるそうです。
ここの鶏肉は臭みがなく、「カラアゲ」と伝えると、唐揚げサイズにカットしてくれて「ホネナシ?カワナシ?」まで確認してくれます。胸肉、手羽先、挽き肉、どれもハズレなし。
この店員さんに日本語を教えた、かつての日本人妻さんに感謝です。
※お会計時に値段が“気まぐれ”なことがあるので(笑)、念のためさばく前に「1kgいくらか」と確認するのが安心です^^



冷蔵設備がないため、朝8~10時の涼しい時間帯に行くのがおすすめです。
■Edmundoさんの新鮮な野菜配達
2週間ごとの土曜日に、メキシコシティ内のいくつかのエリアへ届けてくれる野菜配達。もともとはコロナ禍に、飲食店へ卸していた野菜のロスを減らすために始められたそうです。
中身は毎回おまかせで、袋を開けるまでのお楽しみ♪
とにかく量がすごくて、冷蔵庫が野菜でいっぱいになることもしばしば!


大葉や大きな生姜、巨大な白菜が大根が入っていたときは、思わず小躍りしてしまいました^^
注文はグループLINEで管理されているので、紹介を通して参加できます。



野菜以外に卵やきのこも注文できますよ♪
■その他
他は、食材によって以下を使い分けしていました。
・日本食の他スーパー(TOYO FOODS、Waviaなど)
・現地スーパー(City Market、Chedrauiなど)
・韓国・中国系食品店
・CostcoやWalMart
・El Pescado Feliz ~大きいぷりぷり海老が購入できるデリバリー可能なお魚屋さん
お弁当グッズ「日本で調達が基本」
お弁当箱やピック、おかずカップなどは、渡塁時と一時帰国で日本から持って帰っていました。


抗菌シートは大葉や梅干しが安定して手に入らなかったので、気休めになれば…と使い始めました。タレやソースも入る抗菌シートもあって、今も使っています。
当時「あ~、これちゃんと買ってきたら良かった!」となったのは、保冷グッズ系。


バンコクでは日本と同じように保冷剤が溜まりがちですが、メキシコでは全然手に入らずで、この反省をいかして、次の海外生活では、何度も使える保冷剤を用意しました。



水筒はスタバのタンブラーでも楽しめましたが、お子様用は日本での購入がオススメ。
作り置き「日本と同じレシピでは苦戦することも…」
とにかく冷凍食品やお惣菜という手は使えないので、常備菜はしっかりと用意が基本でした。
また、日本では安価で手に入る竹輪やカニカマは、数倍の金額になるため、なるべく野菜で作り置きおかずのレシピを検索することが多かったです。
メキシコシティでも作れる常備菜をいくつかご紹介します。
①Camoteの煮物・ポテトサラダ
日本食スーパーでさつまいもは手に入りますが、メキシコの乾燥した気候のせいか、どうも瑞々しさが足りない…。
Camoteという現地のオレンジのさつまいもはふかすと瑞々しさがしっかりでるので、煮物にするとほっこりした食感になり、ポテトサラダにしても美味しいです。


②Jicamaやじゃがいものきんぴら
Jicamaはメキシコ原産のマメ科の多年草で、シャキシャキとした食感とほのかな甘みが特徴です。その食感を活かして、ごぼうの代用にきんぴらにしている日本人妻も多かったです。
私は数回しか作ったことはなく(笑)、逆に①で使えないじゃがいもをきんぴらにしていました。
③自家製きゅうりのキ○ーちゃん
きゅうりと生姜がたーくさん手に入った時は、日本のあのごはんのお供の再現レシピを。砂糖もどっさり使うので、日持ちも◎なんならこれとご飯があれば、朝から大満足です!!



こういうお漬物があると、お弁当の隙間もうまって有難いのです^^


バンコクでのお弁当づくり
食材探し「日系スーパーが充実◎魚系はコスパで少し苦戦」
バンコクに来て一番驚いたのは、フジスーパーやドンキ、マックスバリュなどで
日本のものがすぐに手に入ること。
味噌や醤油といった調味料も種類が豊富で、
「日本の味をそのまま再現できる」ありがたさを感じました。
お肉は日系スーパーであれば、
日本と同じような厚さ・大きさにカットされたものが購入できます。
お魚は、いくつか使い比べをして、
日系スーパー以外にも、日本の市場から直送の魚屋さんやデリバリー専門店を使い分けながら、安定して食卓に並べられるようにしています。
■UFM Fuji Super(バンコク内に現在数店舗あり)
バンコクの日系スーパーといえばまずはここ。
生食する野菜は、基本的にFuji Superで購入するようにしており、お肉は基本「S pure」を買うようにしています。



夫婦二人暮らしに嬉しい、ばら売りや少量パックがあるのも嬉しいです♪
■Donki(タイ国内に数店舗あり)
火曜日は特売日で、お値引き商品がぐっと増える日。
牛肉はオージーも和牛も取り扱いがあり、わが家ではDonkiで購入することが多いです。
牛丼やすき焼きに良さそうなカットのお肉はこちらで購入しています◎
■トンロー日本市場
こだわりの強い夫も大満足の刺身は、ここで落ち着きました^^
入荷日には鮮魚も青果も充実しているので、事前に公式LINEで確認してから訪れています。ポイントが貯まるとバウチャーも発行されて、お得にお買い物できるのも嬉しいところ♪
日本から直送のため、鮮度は申し分なし!



お値段は少し可愛くない日もありますが…^^
■sea food house
デリバリー専門のお魚屋さん。
配達区域は限られますが、プロンポン〜エカマイは配達OKです。
調理用のお魚は、主にこちらでお願いしています。筆者はいつも生の状態で届けてもらいますが、調理をお願いすることもできるそうです。



鮭や鰆は身がふっくらしていて、西京焼きにするとホッとする味
■その他
・現地スーパー(BigC、Tops、Villa Market)
・マックスバリュ
・誠屋、サイトウフーズ
・gourmet market
・omusubi-ya(総菜やおむすびのデリバリー)
macroは大容量のため、ほとんど利用したことがありません…。
お弁当グッズ「現地購入も可、こだわりものは日本から」
DAISOやLazada、誠屋などを駆使すれば、おかずカップやピックなどの彩りグッズも手に入ります。日本より少し割高にはなりますが、工夫すればかわいいお弁当グッズも十分揃えられます
また、バンコクにはニトリや象印も進出していて、しっかりした保冷バッグやスープジャーも購入可能です。
※ニトリの商品価格は「少し高いかな?」くらいの体感で、現地の物価を考慮して設定されているそう。
ただ、種類の豊富さはやはり日本のほうが上。
かさばらないアイテムは、日本でまとめて買っておくのもオススメです。
お弁当作り「暑さと湿気対策!汁気に注意」
一年中温暖な気候のバンコクでは、“お弁当をいかに安心して持たせるか” がポイント。
私がいつも意識しているのは、この2つ!
①汁気はできるだけストップ
日本から持ってきた「水と油を吸うおかずカップ」は、とにかく頼れる存在!
親子丼やカツ丼のように、ごはんにしみてしまう系は入れず、心配な日はスープジャーへイン。
おかずカップに少し入りきらないおかずは、日本でまとめ買いしたかわいい柄のクッキングシートを挟んでちょこっと対策。
煮物は、カップの底に鰹節をひとつまみ。余分な汁を吸ってくれるので、“ちょっと不安…”という日にも安心です^^
②とにかく “しっかり冷ます” が合言葉
バンコクもメキシコも、夫の出発時間が日本より早めで、今は4時半起きでお弁当作りスタート。
(メキシコ時代は5時半でした。日本人学校のママさんたちも、本当に早起き…!)
温かいまま詰めるのはNGなので、私は解凍プレートを使ってすばやく冷ましています。
日本で買ってきましたが、我が家のキッチンで大活躍中です⇩


解凍プレート
(解凍にも粗熱とりにも◎日本のamazonにて購入)
ランチバッグには保冷剤を多めに。



バンコクの日系ケーキ屋さんは保冷剤をつけてくれることが多くて、保冷剤のストックには困りません!
ごはんは冷めると硬くなりがちなので、ふんわり軽めに詰めるのがポイント。
(ほんとはもっとモリモリ入れたいけど、そこはぐっと我慢…笑)
作り置き「日本の食材を上手く使ってラクに続ける」
バンコクは冷凍食品もそこそこ手に入りますが、“冷凍食品NG” な夫のため、我が家はほぼ全部手作り。
でも、これで午後も元気に働いてくれるなら…まぁ頑張ります
①きんぴら
人参は安くて安定なので固定。あとは、ごぼう・れんこん・白滝・じゃがいも など。
フジスーパーの特売に合わせて組み合わせを替えて、飽きないようにしています。
②ひじきの煮物
日系スーパーでも買えるけれど、私は “戻さないひじき派” なので日本から持参。
薄くて軽いからパッキングのすき間に入れ放題です。笑


具材は油揚げ+人参が鉄板。
最後に冷凍枝豆を混ぜると、彩りがよくなります。



飽きてきたら、おにぎりに混ぜたり、炒飯にしたり、ひき肉を足してひじきハンバーグ にしても◎


③オクラの和え物
有難いことに、バンコクはオクラが安い!
保存は、板ずり → 輪切り → 1回分ずつラップして冷凍。
朝はレンチンで即使えるので、めちゃくちゃ便利です。味つけは塩昆布か、生姜醤油+鰹節 が多め。
切らずに卵焼きの芯にしたり、茹でたオクラをちくわに通すと断面がかわいくて、お弁当が一気に華やかになります
たま~のキャラ弁
気が向いた時だけ作る、ゆるキャラ弁。
四季を感じにくい分、季節の行事や特別な日は大事にするようになりました




スライスチーズは高いから、日系スーパーの特売でまとめ買い。賞味期限が長いので助かる…!海苔カッターや小さめハサミは、たまたまこちらの百均で見つけたけど、日本から持ってきた方が安心です♪
かわいい型抜きもコスパ的に日本で調達。一時帰国の度に補充しちゃうアイテム。


卵のお顔の口に使ってる糸唐辛子は、バンコクで見かけないので日本から持参しています。
メキシコでもバンコクでもヘビロテおかず3選
①味玉
卵焼きに飽きた日は味玉。百均の味玉メーカーが大活躍!


味玉メーカー(日本の百均にて購入)
麺つゆや醤油は貴重なので、漬け汁は気分で変えて節約。
潰して卵サラダにしても和風でおいしい。
②和風エビマヨやエビカツ
液だれしない和風エビマヨは不動のレギュラー。
(★参考レシピ →揚げないからお手軽♪「和風エビマヨ」のお弁当)
メキシコではEl Pescado Felizで購入した大きい海老、バンコクではFuji Superの海老を使用。


Fuji Superの冷凍エビ
(お子様のお弁当なら二人分量)
ボリュームおかずにしたいときは、刻み海老+鶏ひき肉+枝豆でエビカツに◎
バンコクでは、はんぺんも追加しています。ふわふわ感が抜群


③焼きそばやそばめし
キャベツ、人参、玉ねぎ、豚肉は世界どこでも安定。
メキシコではそばめしでボリューム調整。
バンコクは麺が豊富だけど、最終的にTopsの中太焼きそば麺が使いやすい。


Topsの焼きそば麺
(もちもち食感で食べ応え◎大人二人分)
現地価格がお財布事情に厳しいときは、日本から持参しておいた乾麺を転用。
和そば+めんつゆで和風焼きそば、醤油で焼きうどん、うどん+中華麺で地元B級グルメ「ちゃんぽん焼き」も◎
おわりに「続けることのすごさ」
メキシコでもタイでも、お弁当づくりは“ちょっとした気合い”の積み重ね。
誰かのために作る日も、自分のために作る日も、その小さな積み重ねが、暮らしのリズムを作ってくれる気がします。
どんな環境でも、「ふつうのお弁当」を続けられた自分に、少しだけ「よくやったね」と言ってあげましょう



Instagramでも日々のお弁当を投稿しています。
→→→ @hnk0901_bengram
料理に使える便利グッズや日本からの持ち込み品は、こちらもあわせてご覧ください



