バンコクで暮らしていると、美容クリニックの多さに驚く一方でハーブサウナや伝統マッサージが街のあちこちにあることにも気づきます。
“攻める美容”と“植物のやさしさ”が自然に共存している――
そんなところにも、アメージングタイランドの面白さを感じます。
そこで今回はナチュラル美容好きな筆者がリピートする、タイ発オーガニックスキンケアブランドのご紹介です。

タイでは古くからハーブや植物オイルを暮らしに取り入れる文化が根付いており、
その知恵は現代のセルフケアにもしっかり息づいているように思います。
日本ほどオーガニックコスメの選択肢は多くないものの、
タイにも合成香料や防腐剤を極力使わず、植物由来の原料にこだわって作られたオーガニックスキンケアブランドがいくつも存在します。
また「オーガニック系は実感度が低い」という声もよく聞きますが、
実は肌の自活力を育て、じわじわと素肌の調子を底上げしてくれる心強い存在だと筆者は感じています。
ナチュラル・オーガニックコスメを使うメリット

肌が本来持つ“自活力”を育てる
植物や天然由来成分にこだわり、合成成分を極力控えたシンプル設計で作られているので
洗いすぎ・与えすぎがなく、肌がもともと持っている“整う力”を引き出すと言われています。
保湿やハリを“与える”のではなく、肌自らが“生み出す”ケアへと変わっていきます。
刺激が少なく、肌にやさしく寄り添う
シンプル設計だからこそ、肌トラブルを起こしやすい方や乾燥・ゆらぎ肌にも穏やか。
肌へのストレスを減らし、毎日安心して使えます。
香りや使い後心地で“こころも整う”
天然精油やハーブの香りは、肌だけでなく心のリズムもゆるめてくれます。
スキンケアが“タスク”ではなく、“癒しのひととき”に変わるのも、ナチュラルなオーガニックコスメならでは。
環境にもやさしい選択
タイの多くのオーガニックブランドは、リサイクル可能なパッケージやフェアトレード原料を採用しています。
肌をケアしながら、地球にもやさしいライフスタイルを実現できます。
知っておきたいオーガニックコスメの“リアル”
実は、日本もタイも「オーガニックコスメ」のルールが明確ではない
Romy見た目がナチュラルっぽくても「本当にオーガニック」なのかわかりずらいのが現状です。
①「オーガニックコスメ」の法律がない
日本もタイも「これがオーガニック化粧品です!」という法律の定義がない ため
- 植物成分がちょっと入っている
- オーガニック原料を少し使っている
これだけで 「ナチュラル/オーガニック風」 に見せることができます。
- オーガニック原料が1つ入っているだけでも“オーガニックコスメ”を謳える
- 植物原料がたった1%でも“オーガニックっぽい”表現ができてしまう
これは 日本とタイの共通点 で、“オーガニックの見せ方”もブランドによってバラバラになります。



つまり“オーガニック”に見えても、その本気度や中身の質はブランドごとに大きく違うと言えます。
② “オーガニック認証マーク”は選ぶひとつの基準


オーガニックコスメを探していると、パッケージに “認証マーク” を見かけることがあります。
なかでも COSMOS(EU) はオーガニックコスメの認証団体として世界的に有名で、厳しい認証基準を持つことで知られています。
COSMOSの他にも、USDA(米国)やACO(オーストラリア)などもよく見かけます。
これらの国際認証は…
- 原料のオーガニック比率や製造プロセス・農法や環境への配慮を厳しくチェック
- 合成成分(香料・防腐剤・界面活性剤・ポリマーなど)の使用を制限
認証にさまざまな基準を設けているので、いわば “外部の専門家がチェックした品質保証書” のようなものです。
※日本には JNOCA、タイには ACT C&H といったオーガニックコスメの認証機関がありますが、現状で取得しているブランドは多くありません。



認証マークのメリットは、細かくチェックしなくてもある程度の品質が保証されていることが分かる点ですね。
③ 認証がなくても“良いブランド”がある
認証を取るにはコストも時間もかかるため、小規模ブランドは受けていないことが多いのが現状。
でも認証マークがなくても
- オーガニック原材料へのこだわりがある
- 自社で製造管理している
- 合成原料を最低限にしている
など、認証を受けているブランドと同等もしくはそれ以上のこだわりを持つ“中身が本気”なブランドも多いのです。



認証マークだけにとらわれず、ブランドの姿勢そのものを見ると素敵なコスメにたくさん出会えます♡
ここからは、私自身が普段から意識している オーガニックコスメを見極める3つのポイント をご紹介します。
オーガニックコスメを見極めるポイント
① 成分表に“植物名そのもの”が多いこと
例:
・Aloe vera
・Coconut oil
・Rose hydrosol
・Rice bran oil
など
植物由来でも“合成加工した成分”は植物名がそのまま出ません。
原料の姿がイメージできるほど、オーガニック度は高いことが多いです。
② 合成成分の使用が少ないこと
本格的なオーガニックブランドは
・合成香料→不使用
・合成界面活性剤→不使用
・防腐剤→必要最低限(レシピでカバー)
のように、“肌への負担を減らす工夫”をしています。
香りづけは天然精油が中心、界面活性剤は天然のもの、防腐剤も必要最小限あるいは不使用です。
③ 原料の出どころが明確であること
信頼できるブランドほど、
・どんな農園のハーブを使っているか?
・抽出方法は?
・自社製造なのか?
などをきちんと公開しています。
実はこれは認証よりも大事で、透明性=ブランドの誠意そのものだと言われています。
それでは、筆者おすすめタイ発オーガニックコスメブランド3選のご紹介です。
バンコクオーガニックコスメ3選
Bangkok Soap Opera
ブランドの特徴
――手仕事の良さを感じる、タイのクラフト系ナチュラルブランド
Bangkok Soap Operaは、タイ国内の小規模農家が育てるハーブや植物オイルを中心に、
手づくりにこだわった石けんとスキンケアを少量生産しているブランド。
原料の抽出から石けんの熟成まで、製造プロセスを透明に開示しており、
「どの植物が、どのようにして、このアイテムになったか」が自然と伝わってくる誠実さがあります。


店内にずらっと並ぶ、ブランドの代名詞でもある石けんは美しくて圧巻。
香りづけも植物エキスや精油のみ。合成香料・合成着色料・合成界面活性剤に頼らないやさしい仕様です。
化粧水や保湿クリームもシンプル処方で、植物が持つ力をそのまま肌に届けるような感覚。
余計な添加物が入っていない分、肌の自活力をそっとサポートしてくれる“日々の相棒”として使えます。


“素朴だけど、とても誠実”。そんなタイらしい温かみを感じられるブランドです。
スクラブやボディクリーム・シャンプーなどのアイテムも豊富でパッケージも可愛いので、プレゼントにしても喜ばれると思います。
筆者の愛用アイテム


・左:ラベンダーフェイスミスト
スプレータイプのラベンダーの蒸留水
さっぱりとした使い心地で鎮静作用があるので、お肌が過敏に傾いているときや日焼け後にシュッとスプレーしています。
・中央:フェイシャルハイドレーションクリーム(グリーンティー)
緑茶エキス配合で抗酸化作用のある保湿クリーム
合成界面活性剤を使っていないのにすっと肌に馴染む心地良いテクスチャー。お肌がもっちりするので大好きです。
※ラベンダーもあります。お肌に優しいものがお好みの方向け。
・右:フランキンセンスとパプリカのソープ
石けんはとにかく種類が多いので迷った末、今回はフランキンセンスの爽やかな香りがただようこちらに。
手作り石けんは“洗い過ぎ”にならず、お肌の㏗バランスが自ら整うように導いてくれるのでとってもおすすめです!





店内にびっしりと並ぶオーガニックなセルフケアアイテムは、眺めているだけでも心が躍ります♥
| 場所 | スクンビット通り沿いSoi49付近(MAP) |
| 営業時間 | 10:00-20:00 |
| 公式サイト | https://soapoperabkk.com/ |
Siam Botanicals
ブランドの特徴
ーータイ×世界の植物をブレンドした“本格オーガニックコスメ”
Siam Botanicalsは、タイ発ナチュラルブランドの中でも特に、国際基準である「COSMOS Organic」認証を取得している希少な存在です。
COSMOS認証は
植物原料の品質
合成成分の使用制限
製造工程の環境配慮
などを厳格に審査する制度で、ラベルだけの“ナチュラル風”とは一線を画します。


このブランドの特徴は、シンプルで無駄のない処方。
香りづけにも合成香料は使わず、植物オイルはコールドプレスを中心に採用。
「肌に不要なものは入れない」という哲学が、アイテムひとつひとつに宿っています。
現在は店舗はなくサイト販売のみですが、植物の恵みを惜しみなく受け取れるアイテムが豊富にそろっています。
※以前はプロンポン駅すぐ近くに素敵なショップがあったのですよ♪


対応と配送が迅速で梱包もとても丁寧。こうした安心感もお気に入りポイントです。
“自然派なのに、使ってすぐ良さがわかる”。そんなバランスを求める方にぴったりのブランドです。
筆者の愛用アイテム


・左:ローズウォーター&グリセリン フェイシャルトニック
ローズの蒸留水にグリセリンを加えたしっとり化粧水
肌につけたときの香りがとにかく至福!この香りだけで美しくなった気分になります笑
ローズは女性ホルモン様作用があり、お肌自らがハリやうるおいを生み出すように導いてくれます。
とろっとした感触で外部の乾燥からもお肌を守ってくれるので、こちらも手放せないアイテムです。
・中央:ミネラルサンプロテクション
酸化亜鉛、植物オイルとエキスのみで作られたノンケミカルの日焼け止めバーム
ココナッツオイルがベースなので製品自体が酸化しにくいのもポイントです。
こっくりしたバームは水にも強く、まさに天然のウォータープルーフ。親子で海やプールで使っています!
ナノ加工されていないのでちょっと白浮きしますが、筆者はメイクの下地感覚で使用しています。
・右:バイオガード レモン&ユーカリプタス
精油の香りでガードするナチュラルな虫よけ
植物オイルと精油に少しアルコールを加えただけのシンプル設計です。
爽やかすぎる香りが心地よく肌にも優しいので、子供にも安心して使っています。



ショップがなくなった時はショックでした…
オンライン購入でもずっと使い続けたい大好きなブランドです♡
| 場所 ※オフィスのみ | 12 Soi Chaloemphrakiat Ratchakarn Thi 9 Rd, Soi 48 sub soi 10 Prawet Bangkok 10250, Thailand. |
| 営業時間 | ー |
| 公式サイト | https://siambotanicals.com/ |
Harmony Life(サスティナ)
ブランドの特徴
―― バンコクの日本人にもファンが多い、やさしいオーガニックブランド
SUSTAINAといえば、スクンビットエリアで知らない人はいないほど人気な老舗のオーガニックショップですね!


店内には自社農場で丁寧に育てられた野菜、オーガニック素材で作られたフードやホームプロダツなどが、ところ狭しと並んでいます。
石けんや化粧水などのコスメももちろんオーガニックで、環境にも肌にも負担が少ないものがそろっています。
このブランドの魅力は、華美な演出よりも“中身”を大切にしているところ。
植物由来成分を中心に、シンプルで肌なじみのよい処方が特徴で、敏感肌の方でも取り入れやすい優しさがあります。


どのアイテムも、“毎日のケアをストレスなく、自然のペースで整えていく”
そんなナチュラルスキンケアの本質を感じさせてくれます。
ブランド名の通り、持続可能な生産と誠実なものづくりを続けている点も、選び続けたくなる理由のひとつです。
筆者の愛用アイテム


・左:アルガン&ホホバ ベビーソープ
サスティナも手づくり石けんはたくさんの種類がありますが、アルガンオイルとホホバ油の優しさが好きで何度もリピートしています。
泡立ちが良く洗いあがりのさっぱり感も程よくて、顔も体も我が家はこれ一つ。
パサっと乾燥することがないのでお風呂上りにあわてて化粧水つけなくても大丈夫です♪
・中央:フェイスローション
サスティナオリジナルの抗酸化酵素を配合した化粧水
ややとろみのある感触でスキンケアがこれ1本でも大丈夫なくらいしっとりもっちりうるおいます。
抗酸化作用が高いのでアンチエイジングアイテムとして愛用しています。
・右:アロマリップバーム
3種類ある中の、ゼラニウムを愛用中。すごーく良い香りです!
鉱物油不使用でビーワックスと植物オイルのみで作られているのがお気に入りポイント。
溶けるように唇になじんで、しっかり潤いをキープしてくれます。





サスティナさんの食器洗剤もとってもおすすめです。
使い始めてから手荒れしなくなりました!
| 場所 | BTSプロンポン駅から徒歩1分(MAP) |
| 営業時間 | 9:30~17:30 |
| 公式サイト | https://harmonylife.co.th/ |
まとめ
バンコクは美容大国でありながら、植物の力を大切にする文化も息づいている街。
その両方が融合したような“やさしくて誠実なスキンケア”が、今回ご紹介した3ブランドです。
合成成分を極力を控えたい
肌のバランスをととのえたい
ナチュラルと実感を両立させたい
という方にとって頼もしい味方になると思います。
皆さまのお気に入りの一品が見つかったら大変うれしいです!

